勇者とは、この世で最悪の刑罰である。大罪を犯した者が「勇者」となり、魔王と戦う刑罰を科されるのだ。殺されようとも蘇生され、死ぬことすら許されない。勇者刑に処された元聖騎士団長のザイロ・フォルバーツは、性格破綻者たちで構成された懲罰勇者部隊を率い、戦いの最前線を駆け抜けていた。過酷な状況の中、ザイロは最強の生体兵器の一人、《剣の女神》テオリッタに出会う。「敵を殲滅した暁には、この私を褒め讃え……そして頭を撫でなさい」生き抜くため、自らを陥れた者へ復讐を果たすため──。《女神》と契約を交わしたザイロは、絶望的な世界で熾烈な闘争と陰謀の渦中に身を投じていく。